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初めての方へ
「人生は1冊の本のようなものです。あなたはその最後のページを開いてしまったのです。でも、またそこを閉じてまたもとのページを開き、今まで以上に1ページ1ページ丁寧にめくって生きていきましょう」、「自分が癌になってしまったことを受け止めるのです。医師はあくまで伴走者、闘うのはあなた自身です」、「敵を知ることです」、「折り合いをつけて生きていくのです」と、やさしく語りかけてくださった主治医のこの言葉を真に理解するまでに2年の歳月がかかりました。この言葉が今の私を支えているといっても過言ではありません。その当時、私にとって「癌の宣告」は「死刑の宣告」でもありました。恐怖心は極限に達し、何も考えられず、自分はどこへ行ってしまうのか?今何をすべきなのか?すら判らずただ泣くことしか出来ませんでした。「癌」という字を避けようとしても、避ければ避けるほど、町を歩いていても新聞やTVを見ているときでも、勝手に目に飛び込んできてしまう毎日でした。苦しい治療を続けているにも関わらず、いや、その苦しさゆえどうしても「生きよう」という意欲が湧いてきませんでした。

主治医は「戦うにはまず敵を知らなければならない」と言ったけれど、その敵を直視できないばかりか、闘っても意味がないというあきらめが先行していました。

癌の三大療法といわれる外科療法、化学療法、放射線療法の技術向上によっても、癌はいまだ確実に治療することが出来ないのは周知の事実です。従来の西洋医学的方法論だけではその壁を打ち破ることは難しいことも理解しました。素人のわたしですが癌への恐怖心から必死で免疫学、東洋医学を含む代替医療、民間療法の情報収集をはじめました。

そしてこのようなことを知り得たのです。

できてしまった悪い細胞はとりあえず修復する、あるいは殺してしまうしかないのが西洋医学であるのに対して、病気というのは人間全体の歪みとしてとらえ、この歪みを正しながら病気を治していくというのが東洋医学である。民間療法もおおむね東洋医学的な思想に基づいているようです。

西洋医学と東洋医学の違いはよく「木」と「森」にたとえられることがあります。森の健康状態を測るとき、西洋医学では一本、一本の木に注目しようとします。細胞の乱れがあれば、それを一つ一つ切除あるいは修正していくのに対して、かたや東洋医学は、個々の木ではなく森全体を眺めその健康度をみます。だから、森から少し距離を置いて森全体を視野にいれながらその健康度を判定し、一本の木よりむしろ木と木の間の空間に着目して、なんらかの歪みがあればそこを是正しようとします。西洋医学を指して「木を見て森を見ない」と批判する東洋医学や民間療法の関係の人たちもたくさんいて、そこに「思想」のようなものが漂っているだけにとても正しそうにきこえますが、森の病気を治す際には、木のお医者様も絶対に必要であると私は思っています。

およそ民間療法と呼ばれるものを紹介した書物なら、例外なく出てくる言葉が「自然治癒力」そして「免疫力」です。「癌の背景には間違いなく、免疫力の低下が関係しています。免疫力を高めれば癌にならないし、なったとしても再発は防止できるはずです。」何冊もの「癌」関連の本を読みながら、ほとんどすべての民間療法がこのようにうたっているという印象を強く受けました。

こうして情報収集をはじめたところ、少しずつ癌への恐怖心が薄れてきました。同時に「癌は治る、闘ってみよう」という気になりました。

『医師がどんなに頑張ったところで、患者側の「治る力」が充実していないことには、どうにもならないのです。そして「治る力」というものはあくまで患者本人が捻出、育成しなければならないものである』と。(→次ページへつづく)

 
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