
1922年のある晩、カナダのオンタリオ州ヘイリーベリーという町の病院で、この物語は始まった。
看護婦長のリーン・ケイス(33歳)が巡回していると、入浴介助を受けている年配の女性患者がいた。リーンはその患者の胸に見慣れない傷あとがあるのに気づき、それはいったい何かと尋ねたところ、その女性患者はリーンに次のような話を始めた。
その女性は
30年ほど前の1890年代初め、イギリスから探鉱夫の夫と共にオンタリオ州北部の町に移民してきた。ある日、彼女は胸にしこりがあることに気づき、夫に打ち明けた。夫は、同じ地域に居住するオジブア族のメディスンマン(部族の中で病気を治す能力がある人)に相談してみた。メディスンマンは、先住民の間で先祖代々伝えられてきた「身体を浄化し、大自然の精霊と人体の調和を取り戻す神聖な飲み物」を飲んだらいい、と教えてくれた。それはいくつかのハーブ(薬草)を煎じたもので、その作り方も教えてくれた。
探鉱夫もその妻も、この薬草茶には半信半疑だった。とにかく、胸のしこりを検査してもらうため、トロントにある総合病院まで行くことにした。